消費科学研究所
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4月から、帽子にも品質表示が必要になりました。

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2018年5月2日

 

1.繊維製の帽子が品質表示の対象に

家庭用品品質表示法の改正により、繊維製の帽子が対象品目になりました。
これまでは、東京都条例に帽子の表示に関する法規があり、東京都で販売する帽子には 品質表示を行う必要があったものの、他府県では任意表示となっていました。
今回は国の法律で表示対象となったため、国内全域で品質表示が必要となります。平成30年4月1日以降に製造販売する商品には品質表示が義務付けられ、表示のないものは販売できなくなります。
※法律上は4月1日から表示を行う商品が対象。それまでの商品(持ち越し品)は販売継続可能です。

 

●表示項目
①繊維の組成
②家庭洗濯等取扱方法
③表示者名等の付記

 

●対象
・日常的に使用される通園通学帽子
・運動帽子
・スポーツ・レジャー用帽子(野球帽子、テニス帽子、ゴルフ帽子、水泳帽子等)
・防暑防寒帽子
・タウンハットその他これらに類する帽子

 

※対象外
・特に装飾性の高い帽子
・業務用として用いられる帽子
・サンバイザー (業務用として用いられないものも含む)
・麦わら等の天然草木、皮革、合成皮革及びフェルト製の帽子
・ゴム製の水泳帽子

2.帽子の表示に関わる品質試験とは

●混用率試験
①検鏡などにより何の繊維が含まれているかを確認
②2種類以上の混用の場合は、繊維を解じょし、それぞれの繊維重量を測定
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③混紡糸等が使用されており、解じょできない場合は薬品で任意の繊維を溶解除去し、溶解処理前後の重量を測定し計算することで、それぞれの組成繊維の重量を算出
④各繊維の重量から百分率を算出する

 

3.品質表示の作成・アドバイスを行っています

当研究所では、家庭用品品質表示法に則った表示の作成も実施しています。

 

(例)
●組成表示はどのように行えばよいか?
 
帽子本体の生地や装飾部分の生地など、各素材の組成情報および、商品をご用意いただければ、消費科学研究所で適正かつ効率的な組成表ご示を提案します。
また、組成情報がない場合は混用率試験を行ない、適正な表示を作成することも可能です。
 
●取扱表示はどれを選定すればよいか?
 
昨今は、さまざまな衣料品を家庭で洗濯をしたいというニーズが高まっています。帽子についても、特に春夏モノについては汗汚れ等が付着するので水洗いしたいというニーズがあります。
当研究所では実際に想定される洗濯やドライクリーニング等を行い、商品の外観変化や寸法変化率の測定、素材情報から適切な取扱表示をご提案します。

 
表示例
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4.不適正な表示のチェックも実施しています

店頭の商品、在庫品、入荷品について、法律に適合していない表示がされたものがないかをチェックし、発見した場合は表示の修正改善についてアドバイスします。

 

●例:店頭で発見された不適正な表示(取扱表示の順序が不適正)
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適正な表示は、家庭洗濯、漂白処理、乾燥、アイロン掛け、商業クリーニングの順が正解。この誤表示は、乾燥(タンブル乾燥不可)が最後になっており、順番が異なるため。

 

当研究所では、今回ご紹介した試験以外にも、帽子全般の事前試験から原因究明等クレーム対応まで、幅広く皆様からのお問い合わせ・ご依頼を承っております。
お気軽にご連絡ください。