消費科学研究所
BLOG
消費科学研究所ってなにをするところ?
コンサルティング
2026年4月8日

消費科学研修所は2027年に、品質管理に関する業務を始めて100年の大きな節目を迎えます。
最近は、毛髪評価試験や機能性評価試験などウェルネス分野のニーズが拡大し、それらの領域での対応を強化しています。
消費科学研究所における新しい取り組みや日頃のお仕事を知っていただくために、品質管理事業統括部の4名に対し、歴史や業務内容についてインタビューをおこないました。
――まずは、消費科学研究所について教えていただけますでしょうか?
山木佳織(以下、山木):消費科学研究所の歴史は古く、1927年(昭和2年)に、株式会社大丸大阪店(現・心斎橋店)に開設した染色試験室・衛生試験室がはじまりです。1986年に株式会社消費科学研究所として独立し、2007年には大丸と松坂屋の経営統合に伴って、松坂屋の品質管理業務も統合して現在に至っています。2027年には業務開始から100年を迎えますが、現在、さまざまな記念事業の準備を進めているところです。
――100年もの歴史があるのですね。そもそも、なぜ染色試験室・衛生試験室を開設することになったのでしょうか?
山木:染色試験室・衛生試験室の設立当時は、JIS(日本産業規格)もなかった時代でしたが、大丸で販売する商品を対象に、自分たちで科学的に商品基準や試験方法を考え出しました。繊維製品の基準については、今もJISの「色泣き試験」に、「大丸法」という名前として残っています。
――時代を先取りしている取り組みですね。現在の消費科学研究所では、どのようなミッションを掲げているのでしょうか?
山木:「安全・安心で豊かなくらしの価値を共創する」が研究所のミッションです。私たちは生活者の安全安心なくらしをお守りしたい、そして、より豊かなくらしのお役に立ちたいという志のもと、品質試験や検査業務に励んできました。
昨今は食品を中心に幅広い分野で、生活者や事業者の中で「安全・安心」への意識が高まっています。さらに、「サステナビリティ」や「Well‐Being‐Life」への関心も高まってきており、事業者に対して商品の安全性やその価値を高めるお手伝いをすることで、消費者に貢献したいと考えています。
特に食べ物は、アレルギーの記載漏れや間違いなどがあれば健康被害に関わりますから、確認にあたり手を抜けません。
――村尾さんは食品部門の担当ですが、普段はどのような業務をされ食品の「安全・安心」を高めているのでしょうか?
村尾明日加(以下、村尾):主にクレーム試験に携わっており、食品中に混入していた異物の材質の特定や、カビの検査などを行っています。
クレーム内容は多岐にわたるため、その都度、適切な検査内容を考えて実施しています。
私が担当しているクレーム試験は、食品部門の中でもほんの一部の業務であり、他にも食品の衛生状態を調べる細菌検査や、厨房や工場内の衛生点検、食品の一括表示やカタログなどの表示点検、食品関連事業者向けのセミナーなど様々な業務を行い、食品の安全安心を支えるお手伝いをしています。

――繊維雑貨部門では、近年はヘアケア製品の展示会への出展を強化されているそうですが、どのような狙いがあるのでしょうか?
朝野芙弥(以下、朝野):一番の狙いは、毛髪評価試験や消費科学研究所を広く知ってもらうことです。
毛髪評価試験は事業として行っている試験機関の数が少なく、試験もまだまだ知られていません。これまで美容師さんやヘアケア製品の開発者の方が感覚や経験則で判断してきた指標を数値化し、誰にでもわかるデータにできるということを伝えるため、展示会への出展を強化しています。

――毛髪評価試験とはどのような試験なのでしょうか?また、どのような企業が依頼をされるのでしょうか?
森 彬光(以下、森):機械を用いて髪の毛のなめらかさ、ハリやコシ、うるおいというような感覚的な状態を数値化し、評価する試験です。例えば、髪がしっとりするかどうかを測る「水分量測定試験」、髪のキューティクルの状態を知る「表面撮影」といった試験があります。
毛髪評価試験のご依頼をいただくのは、ヘアケア製品を製造するメーカー様からのご依頼が多いです。
お客様から「こういう試験をしたい」とお問い合わせをいただいたら、こちらから試験内容や条件を提示したのち、試験を行います。
多くの場合は、お客様も具体的にどういう試験を行ったらいいのかわからない段階でお問い合わせをいただくため、双方で試験方法をどうするか、打ち合わせからはじめることがほとんどです。

――これから、どのような分野へ進出していきたいなど、皆さんの今後の展望についてお聞かせください。
朝野:個人的にはPRや販売について、法律的な部分のフォローができるようにと構想しています。例えば衣料品では、タグに品質表示がついているのをご覧になったことがあるかと思います。この品質表示の形式はすべて法律で決められています。商品を店頭で販売するときや広告を打つときに、少しの言い回しが法律に抵触する、ということもありえます。
今後はPRや販売に使う言葉やパンフレットなどの表現を、安心して使えるようにお手伝いすることも考えたいです。
森:コロナ禍以降、毛髪の事業が伸びてきています。おそらくおうち時間が増えるなどして、ビューティー&ウェルネス、美と健康への関心がとても高まっているからだと推測しています。
毛髪試験はひとつのきっかけとして、ヘアケアの分野でできることを増やす、あるいは毛髪検査の技術を違う分野の検査に派生させることにもチャレンジしたいですね。
村尾:私が携わっているクレーム試験は、何かしらの苦情が発生したあとに対応する試験です。食品の安全安心を高めるためにも、苦情を未然に防ぐような業務に力を入れていきたいと考えています。
現在も他の社員に対して、苦情事例の共有などを行っていますが、今後はより連携を強化することで、現場で苦情を起こさない環境づくりに貢献していきたいです。
PROFILE
-

山木 佳織
株式会社消費科学研究所 品質管理事業統括部長
1991年 株式会社大丸入社。
3つの店舗を経て、2025年3月より消費科学研究所に勤務。
営業や試験部門のメンバーとともに、サステナブルな事業活動のため日々新しいつながりを探しています。
遺跡や歴史的建造物が好きで、今までに訪れた国は21か国、今年は世界遺産検定に挑戦しようかと考えています。
-

朝野 芙弥
繊維雑貨事業部 ウェルネスグループ長
繊維製品品質管理士 毛髪診断士
2004年4月 株式会社消費科学研究所 入社
繊維製品の品質検査や百貨店にお申し出のあった苦情品の原因究明、表示点検などの業務を経て、2019年から毛髪試験を担当。
これまでに3度の育児休暇を取得し、女性に優しい職場に安心しながら、家事・子育てに邁進中。
-

森 彬光
繊維雑貨事業部 ウェルネスグループ エキスパート 毛髪診断士
2008年3月 株式会社消費科学研究所 入社
入社以降、一貫して化粧品・毛髪の各種評価業務に携わる。
休日は釣りと子供の習い事に奔走する2児の父。
-

村尾 明日加
食品事業部 大阪・名古屋グループ
2024年4月 株式会社消費科学研究所 入社
大阪研究所に勤務し、現在は苦情試験に携わる。
趣味はカフェ巡りとホラーコンテンツ鑑賞