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食中毒対策は万全ですか? 11月以降に多発する“ノロウイルス” に厳重注意!

食品

2015年9月14日

1. 近年、日本での食中毒のピークは、夏から冬にシフト。その原因は…

 
食中毒というと梅雨や夏場に多いイメージですが、近年は、約68%が11月 2月に集中して発生しています*1。
その原因のひとつがノロウイルスです。ここ数年、食中毒による患者発生数の第1位*1で年間1万人以上の人が健康被害を受けています*2。

●データでみると…

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※出典:食中毒統計(平成21 25年の平均。病因物質が判明している食中毒に限る)
<参考リンク>
*1
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/norovirus_pamphlet.pdf
*2
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/03.html
 
 

2. 非常に感染力が強いノロウイルスは、人から人へと拡大する。

細菌が原因で起こる食中毒(腸管出血性大腸菌、カンピロバクター、サルモネラ属菌など)は、湿度や温度などの条件がそろうと食品の中で細菌が増殖し、それを人が食べることによって食中毒を引き起こします。
一方、ノロウイルスは食品中では増殖しませんが、人の体内に入ると腸管内で増殖し、食中毒を引き起こします。

●ノロウイルスの感染経路

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非常に感染力が強いのが特徴で、100個以下という少量でも感染します。患者の便や嘔吐物には、1gあたり100万 10億個という大量のウイルスが含まれています。
また、感染していても症状が発症しない「不顕性感染」も存在するため、感染者本人も自覚がなく、知らないうちにウイルスを拡散させてしまう危険性もあります。
 

3. ノロウイルス食中毒は未然に防ぐことが大切

手洗いが不十分でウイルスが残っていると、その手で触れた場所にウイルスが付着し、施設内に広がってしまう危険性があります。
ノロウイルスは、アルコールや逆性石鹸では十分に消毒できません。汚物等の処理や清掃には塩素系漂白剤の次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が効果的ですが、手洗いには不向きです。また、熱に強く、85 90℃で90秒以上加熱しなければ死滅させることはできません。
 
消費科学研究所では、次の4原則をもとにノロウイルス食中毒を予防するための考え方をアドバイスしています。
 
<ノロウイルス食中毒対策の4原則>
ノロウイルスを
① 持ち込まない
② 広げない
③ 加熱する
④ 付けない
 
 
事業所や店舗における具体的な予防策としては、適切な手洗い、適切な手袋の使用、施設・器具の効率的な消毒、トイレ対策、健康管理などがあげられます。
 

●感染経路の例

・厨房内

 

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・トイレ

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4. 万全の食中毒対策を消費科学研究所がトータルアドバイス

消費科学研究所では、相手先様の品質管理基準に基づいた厨房点検を行い、食中毒予防のためのアドバイスをいたします。詳しくは別表をご参照ください。
 
起きてしまってからでは遅い食中毒の対策。流行する時期が来る前にしっかりとした予防策を講じて「食中毒を起こさない」体制を整えることが大切です。
事業所や店舗で食中毒対策をより万全にしたいとお考えの際は、お早めにお問い合わせください。
 

<食中毒に関連した提供業務>

 
  業務項目 業務内容
1 レストラン、喫茶、従業員食堂の衛生検査と衛生管理アドバイス ・検査対象:食材、厨房設備、調理人の手指
・検査内容:細菌数、大腸菌群、黄色ブドウ球菌など
2 食品の細菌検査 ・検査対象:生菓子類、サンドイッチ、惣菜、弁当、すし 他
・検査内容:細菌数、大腸菌群、黄色ブドウ球菌など
3 食品従事者に対する腸内細菌検査の斡旋とフォロー ・検査内容:腸管出血性大腸菌O157、赤痢菌、サルモネラ属菌
4 消費者苦情対応へのサポート業務 ・異物検査、細菌検査などによる原因究明と評価
・再発防止にむけた現場での衛生管理アドバイス
5 品質管理、食品衛生に関する情報提供と教育サポート ・品質管理体制、制度づくりについてのアドバイス
・食品衛生担当者および従業員の専門知識の向上を目的としたセミナーの実施