消費科学研究所
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さまざまな毛髪試験でヘアケア製品の性能を評価。

ヘアケア・化粧品

2015年10月22日

髪が乾燥し、傷みやすい冬が近づいてきました。
消費科学研究所では、傷みやパサつきなどが生じた毛髪の状態を確認する設備が整っています。さらに、それらを用いて各種商品試験を承り、ヘアケア製品等を開発するお手伝いをしています。
 

 

1. 毛髪の構造

 
毛髪は外側の「キューティクル(毛小皮)」、中間層の「コルテックス(毛皮質)」、中心部の「メデュラ(毛髄質)」の3層で構成されています。
 
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2. ヘアケア製品の毛髪への影響を数値で評価。

 
各種ヘアケア製品について、消費科学研究所では次の試験を実施しています。
 
引張強度(破断荷重、延伸率)を測定する「毛髪引張特性試験」
(例)髪へのダメージが少ないヘアカラー剤やパーマ剤の開発に

曲げに対する硬さや回復性を評価する「毛髪曲げ特性試験」
(例)髪のコシやハリを評価し、シャンプーやコンディショナーの開発に

髪のすべりやすさなどについて測定する「毛髪表面特性試験」
(例)髪をなめらかに、指通りをよくするトリートメント剤などの開発に
 
*各試験のより詳細な情報は、当ブログ後半の「5.毛髪試験の詳細情報」で紹介していますので、ご覧ください。
 
 

 

3. 髪の表面・断面をミクロン単位で撮影。
 
健康な髪の表面はうろこ状に重なったキューティクルで覆われていますが、ダメージを受けた髪はキューティクルがめくれたり剥がれたりします。
このような毛髪表面の状態を「走査電子顕微鏡」を用いて観察、撮影します。
 
④毛髪の断面や表面の状態を撮影し、観察する「毛髪表面撮影」
(例)ヘアトリートメント剤やヘアエステなどの効果を画像で確認
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*当試験のより詳細な情報は、当ブログ後半の「6.毛髪表面撮影の詳細情報」で紹介していますので、ご覧ください。
 
 

 

4. 試験を組み合わせ、総合的な評価も可能。

 
消費科学研究所では、衣食住に関するさまざまな製品について、その性能や苦情の原因を究明する試験を行っています。
今回紹介したヘアケア製品についても、各種毛髪試験を組み合わせて依頼者のご希望に沿った評価試験を提案します。
機器を用いた従来品などとの比較のほかに、各種処理を行った毛髪の測定や、アンケートによる使用感の調査も行います。
貴社のより良い製品の開発をバックアップします。ぜひ、お気軽にご相談ください。
 
 

5. 毛髪試験の詳細情報

 
試験項目 ①毛髪引張特性試験
内容 毛髪の破断加重、延伸率を測定
装置 AGS-X(島津製作所社製)
評価に適した毛髪サンプル ブリーチやカール剤などを使用した毛髪
解説 毛髪の引っ張りに対する強度は毛髪内部のコルテックスが関係しているといわれており、ブリーチを行う、パーマをあてる、熱を加えるなどした毛髪は強度が低下する傾向があります

 
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試験項目 ②毛髪曲げ特性試験
内容 毛髪の曲げ硬さ(曲げ剛性)、回復性を測定
装置 KES-FB2(カトーテック社製)
評価に適した毛髪サンプル シャンプーやトリートメント剤などを使用した毛髪
試験に適した製品 硬い髪や柔らかい髪向けのシャンプー、コンディショナー、トリートメント剤
解説 毛髪のハリやコシ感を評価する際の要因のひとつとして試験を行います。

 
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試験項目 ③毛髪表面特性試験
内容 毛髪表面の摩擦係数を測定
装置 KES-SE(カトーテック社製)
評価に適した毛髪サンプル トリートメント剤、ヘアクリームを使用した毛髪
試験に適した製品 トリートメント剤、ヘアオイル、ヘアクリーム
解説 毛髪表面の滑りにくさ(摩擦)やざらつきを測定します。
くし通り、指通りを評価する際の要因のひとつとして試験を行っています。

 
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6. 毛髪表面撮影の詳細情報

 
試験項目 ④毛髪表面撮影
内容 毛髪表面などの撮影
装置 JSM-6390(日本電子社製)
評価に適した毛髪サンプル トリートメント剤などを使用した毛髪
試験に適した製品 リンス、トリートメント剤、コンディショナー、ヘアオイル
解説 毛髪表面のキューティクルや破断面の状態を撮影します。

 
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