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『蛍光X線分析装置(EDX)』って何に使うの? ~クレーム試験その3~

食品

2022年1月7日

先日、「“金属片”が混入しており、その“金属片”が何かを調べて欲しい」と相談がありました。

 

 

このような食品の異物を分析する際に、
よく使われる機械として
蛍光X線分析装置(EDX)があります。

主に、石やガラス、金属の組成を調べるのに使用しますが、
これらを破壊することなく、分析することが出来ます。

【金属片】

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【蛍光X線分析装置(EDX)】

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  今回の金属片を、この装置で測定したところ、
  鉄、クロム、ニッケルを主成分とする合金であり
  その割合などから、
  『ステンレス片』とわかりました。

 

 

次に、この金属片を拡大鏡で観察すると、
平たい帯状で、規則的に波打ったような形状であり、
片端は真っ直ぐ切断されていて、
反対側の端は、折れたような状態でした。
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確認したところ、厨房内に使い込まれたステンレス製のタワシが見つかりました。
このタワシの組成や大きさ(幅、厚み)を測ってみると、今回の金属片とよく似ていました。

 

ステンレスタワシは、コゲや汚れをよく落とすので、とても便利なものですが、
千切れて食品に混入することがあり、取り扱いには注意が必要です。
※最近では、ステンレスタワシに代わるものとして、合成樹脂製の硬いタワシやブラシなども販売されています。

 

<消費科学研究所では、蛍光X線分析装置を用いた検査が可能です。>
石やガラス、金属片など、蛍光X線分析装置を用いた検査にご興味のある方は、
ぜひ消費科学研究所までお問い合わせください。