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ペット用シャンプーの広告表現の注意点
包装資材・その他雑貨
2025年5月29日
近年、ペットを家族の一員として大切にする意識が高まり、それに伴いペット用品の需要も急速に拡大しています。ペット用のシャンプー・リンス・コンディショナー・皮膚クリームといった、いわゆるペットのスキンケア・ヘアケア用品もその一つで、さまざまなニーズに応える商品が展開されています。
今回はペット用シャンプーを想定した以下の広告例をもとに、ペット用のスキンケア・ヘアケア用品の広告表現の注意点を解説していきます。

広告表現のルール上、気になる表現はいくつかありますが、注意すべきポイントは大きく分けて以下の2点です。
- 動物用医薬品・医薬部外品との誤認を与えない
- 人体に用いる化粧品と混同させない
1.動物用医薬品・医薬部外品との誤認を与えない
人体へのヘアケア・スキンケア用品は「化粧品」として、薬機法上の規制を受けます。
一方、ペットをはじめとする動物へのヘアケア・スキンケア用品には、法律上の定義はなく「雑品」と扱われます。
ただし、動物用の医薬品・医薬部外品は、人体に用いる医薬品・医薬部外品と併せて薬機法上で定義されており、製造・販売・広告等においては人体に用いるものと同様、薬機法上の規制を受けます。
下記は、薬機法第二条から動物に関する事項を一部抜粋したものです。
この法律で「医薬品」とは、(略)
二 人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物(略)
三 人又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物(略)
この法律で「医薬部外品」とは、(略)
次のイからハまでに掲げる目的のために使用される物(略)
イ 吐きけその他の不快感又は口臭若しくは体臭の防止
ロ あせも、ただれ等の防止
ハ 脱毛の防止、育毛又は除毛
二 人又は動物の保健のためにするねずみ、はえ、蚊、のみその他(略)生物の防除(略)
したがって、上記の目的や用途を、動物用医薬品・医薬部外品として承認を受けていないヘアケア・スキンケア用品で謳うと、薬機法に違反しますので注意が必要です。
なお以下のような表現は、根拠や裏付けデータがあれば、動物用ヘアケア・スキンケア用品でも可とされています。
①物理的な作用等によって毛、角質層、爪等を清潔にしたり、健やかに保ったりする目的が明らかな表現
②(人体に用いる)化粧品の効果の範囲にある表現
以上を踏まえて今回の広告例において注意すべき表現をピックアップしました。
〇「うるおい」「保湿効果も優れています」
:化粧品の効果の範囲内であるため、根拠があれば表現可です。
〇「サラツヤ毛並みに」
:化粧品の効果の範囲内であるため、根拠があれば表現可です。
×「消臭成分を配合」
:医薬品的な効果であるため、表現不可です。
代替案「ニオイの元をすっきり洗い流します」
×「ノミ・ダニも駆除」
:医薬品的な効果であるため、表現不可です。
代替案「ノミ・ダニも洗い流せます」「汚れを落とし清潔に保ちます」
2.人体に用いる化粧品と混同させない
前項で述べたとおり、動物用ヘアケア・スキンケア用品(雑品)と、人体に用いるヘアケア・スキンケア用品(化粧品)は別物です。そのため、動物用ヘアケア・スキンケア用品を人体にも使えると誤認させる表現は不可です。
今回の広告において「飼い主さんもご使用OK」という表現は、動物用ヘアケア・スキンケア用品(雑品)が、人体にも使用可能と誤認を与えるため、お使いいただけません。
以上、ペット用シャンプーの広告表現における注意点をご理解いただけましたでしょうか。
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