消費科学研究所
BLOG

レジ袋有料化に向け、バイオマスプラスチック、生分解性プラスチックにも注目

機能性評価

2019年8月8日

レジ袋やペットボトルなど、日常生活で利用することの多いプラスチックについて、最近、メディアでよく取り上げられています。先日、大阪で開催された20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)では、国際的に問題となっている海洋プラスチック汚染を2050年までにゼロにする目標を導入することで各国が合意しました。
国内では、環境相が先月の会見で、小売店など使用されているプラスチック製レジ袋の無料配布を禁じる法令について2020年中の法整備を目指すと表明しています。

 

1.レジ袋の材質変更で、プラスチック使用量を削減

レジ袋は、国内で年間数十万トン(環境省発表)も使われており、有料化などで配布数自体を減らすとともに、レジ袋の材質を見直すことによって石油由来のプラスチック使用量を削減しようという動きも始まっています。
従来のポリエチレン素材から、植物由来の原料を配合した「バイオマスプラスチック」素材や、土に返る「生分解性プラスチック」を配合した素材に切り替える事業者が増えてきました。
当研究所では、レジ袋やゴミ袋の素材切替に際して、必要な強度や品質を満たしているかを調べる各種の試験を行っています。

 

2.プラスチック製フィルムの突刺し強さを測定

[JIS Z 1707 食品包装用プラスチックフィルム通則 7.4突刺し強さ試験]に基づき、試験機を用いて行ないます。

 

<試験方法>
試験片を固定し、直径1.0mm、先端形状半径0.5mmの半円形の針を毎分50±5mmの速度で突き刺し、針が貫通するまでの最大応力を測定します。

画像

 

3.レジ袋の耐荷重試験(静止荷重・繰返し荷重)

レジ袋が容易に破損しないだけの強度があるかを、試験機を用いて確認します。
※ 試験条件(試験荷重、繰返し回数)についてはご相談の上、確定します。

 

<試験方法>
●静止荷重
試験品におもりを入れて持ち手を持ち上げて吊るし、一定時間放置した後の試験品の状態を調べます。

画像

●繰返し荷重
試験品におもりを入れ、約50回/分の速さで繰返し持ち手を持ち上げて下ろす動作を行った後、試験品の状態を調べます。

画像

 

4.他にも、レジ袋に関する各種試験を実施しています

環境に配慮した改良品のレジ袋、ゴミ袋へ切り替える際は、ぜひ当研究所へご相談ください。今回ご紹介した以外にも、下記のような各種品質試験を承っています。
試験内容等の詳細や発注方法については、お気軽にお問い合わせください。

●当ブログでも今までに2回「ポリ袋の品質試験」として取り上げています。
2016/10/28
2017/10/27

商品名 試験項目
ごみ袋・レジ袋・
ポリ袋類
厚さ測定
寸法測定(長さ)
寸法測定(幅)
寸法測定(シール下)
一枚あたりの質量測定
引張強度
引裂強度
伸び
衝撃強度
ヒートシール強度
水漏れ
印刷部分の鉛・カドミウムの含有量
素材確認
印刷はく離強さ