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【前編】口コミを掲載するときの注意点とは? ~ステマにならないよう、口コミを依頼するための注意点~
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2025年11月19日
広告にお客様の声や満足度評価などを使うと、消費者に商品の魅力を効果的に伝えられるので魅力的ですよね。しかし間違った運用をすると景品表示法上のステルスマーケティング(ステマ)規制など、各種広告規制に抵触してしまう可能性があります。
そこで、口コミを依頼するとき、そして広告に掲載するときの注意点について、前編・後編に分けてわかりやすく解説していきます。
1.まず注意したい「ステマ」とは?
SNSやサイトでインフルエンサーやお客様の口コミが広告に使われているのをよく見かけます。「等身大の声」って感じで商品の良さが伝わりやすいと思うので、うちの商品も口コミをお願いして、広告に掲載したいと考えているのですが、何か注意点はありますか?
注意点はいくつかありますが、まず気を付けたいのは「『ステルスマーケティング』になっていないか」です。
これから注意点を解説していきます。

ステルスマーケティングとは?
広告であるにもかかわらず、広告であることを隠して商品やサービスを宣伝する手法のことを、「ステルスマーケティング(以下「ステマ」とする)」といいます。
このような広告は、景品表示法上の不当表示のひとつ「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」として、指定告示で下記のように定義されています。
- 事業者が自己の供給する商品又は役務の取引について行う表示(以下「事業者の表示」とする)であって
- 一般消費者が当該表示であることを判別することが困難であると認められるもの
この1,2を両方とも満たすものが「ステマ」に該当し、規制対象になります。
ステマはなぜ規制される?
一般消費者は、事業者による広告だと分かれば、「商品を良く見せるための誇張かも」と考え、その上で慎重に商品を選ぶことができます。
しかし、実際には事業者による広告であるのに、「第三者(一般人)の口コミだ」と誤解してしまうと、「誇張かも」と考えず、口コミ内容をそのまま受け取ってしまうかもしれません。このような誤解があると、消費者は商品の情報を正しく理解できず、物を選ぶ際に冷静で合理的な判断ができなくなってしまいます。よって広告であることを隠してはいけないのです。
2.ステマにならないよう、口コミを依頼するための注意点
ステマの概要についてご説明したところで、続いて「ステマにならないよう、口コミを依頼するための注意点」について解説していきます。注意点は大きく分けて2点あります。
注意点①:依頼する口コミが「事業者の表示」に該当するか判断する。
ステマの定義には、まず「事業者の表示である」ことが含まれています。簡単に言うと、企業が口コミの内容の決定に関与している場合、その口コミは「事業者の表示」に該当すると判断されます。逆に言えば、口コミ内容が第三者の自主的意思(純粋な感想)によるものであれば、「事業者の表示」には該当しません。
例えば、お客様自らご購入いただいた商品について、お客様のSNSや当社の商品レビューページなどで自由にご感想を述べていただく分には「事業者の表示」には当たらない、つまりステマと判断されないってことですね。
一方、事業者が表示内容の決定に何らかの形で関与している場合は、「事業者の表示」とみなされる可能性があります。重要なのは、第三者が自主的な意思で書いたかどうかという点です。
例えば、企業がインフルエンサーに「こういった内容の投稿をしてください」と説明して、投稿を依頼した場合が「事業者の表示」に当たるのでしょうか?ただし明示的に指示していない場合でも、事業者とインフルエンサーの関係性から、事業者が表示内容の決定に関与していると判断される場合があるので注意が必要です。

例えば企業がインフルエンサーに商品を無償提供し、「よろしければ感想を投稿してください」とお願いした場合など、投稿内容を直接指示していなくても、「事業者の表示」に該当する可能性があります。該当性について、前述の告示の運用基準では
「インフルエンサーによる宣伝効果を期待して企業は商品を提供しているか?」
「『高評価をすれば、続けて仕事をもらえる』とインフルエンサーに期待させることで、企業の意向を反映した口コミを引き出しているか?」
など、事業者とインフルエンサーとの間に「口コミがインフルエンサーの純粋な感想で無くなる」関係性・やり取りがあるかを考慮して判断するとされています。とはいえ、特定のインフルエンサーを選定して事業者が商品と共に口コミを依頼するという手法上、純粋な感想のみを引き出すのは難しいと考え、インフルエンサーに依頼をするときは、次の注意点②の対応をお願いするほうがよいでしょう。
参考:ステルスマーケティングに関するQ&A「Q5」

注意点②:事業者の表示であることを明瞭にしてもらう。
注意点①では、どういった口コミが「事業者の表示」に該当するのか、その判断基準について解説しました。では、表示が「事業者の表示」に該当するとして、次に何を意識すればいいのでしょうか?ここでポイントになるのがステマのもう一つの定義です。
ステマの定義2つ目は「一般消費者が事業者の表示と判断することが難しいもの」です。つまり「事業者の表示」に該当するにもかかわらず、それが分かりづらい場合は、ステマに該当します。そのため、「事業者の表示」に該当する口コミは、事業者の表示と分かりやすい投稿にしてもらう必要があります。例えば「広告」「PR」「プロモーション」などの文言や、「A社から提供を受けて投稿している」といった文章を記載してもらうことが有効です。
ただしこれらが読みづらい書式で書かれたり、他の文章・ハッシュタグに紛れて分かりにくくなっていたりすると、事業者の表示であることが明らかとは言えず、ステマとみなされる恐れがあります。SNS投稿時の具体的な注意点については、当社の下記ブログでも解説していますので、ぜひご参照ください。
以上、ステマにならないように口コミを依頼するための注意点について解説しました。
次回は依頼した口コミを広告に掲載するときの注意点について解説します。