消費科学研究所
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異物混入!?見た目は木片、本当は〇〇〇!

食品

2025年12月12日

突然ですが、これは何でしょうか?

これは以前、弊社に検査のご依頼をいただいた異物です。全体的に筋があり、触ってみると硬いことが分かります。ぱっと見、まるで木片のようです。

木片であれば、顕微鏡で格子状の組織が観察できますが、今回届いた異物には見当たりません。これは一体何者なのでしょうか?

顕微鏡で見ると組織が異なる!

答えは『野菜』です。

今回の異物のように、野菜などの植物が、木のように変化してしまう現象を『木質化』と呼びます。木質化は、植物の細胞壁(※)が硬くなることで起きる現象です。

木質化が起きる要因として、成長やストレスがあり、収穫前の野菜ではとう立ち(茎が伸びて花芽形成が始まる現象)、収穫後の野菜では乾燥が挙げられます。

木質化した野菜は異物クレームになりやすいため、前もって取り除きたいところですが、残念ながらこの現象は、野菜の内部で生じるため、外観からの判別が難しく、選別工程で完全に取り除くことは困難だといわれています。

対策しづらいところが、なんとももどかしいですね。

弊社では異物検査をはじめ、様々な検査を実施しています。お困りごとがあればお気軽にお問い合わせください。

細胞壁…細胞の外側を囲む部分。細胞を保護し、形を保たせる役割をもつ。