消費科学研究所
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食中毒の発生状況について

食品

2022年6月10日

食中毒の発生状況

今回は日本全国で食中毒がどれだけ発生し患者が出ているか、どのような原因や場所で発生したか等について触れたいと思います。

直近10年の食中毒の年別発生状況
「過去の食中毒発生状況」(2012~2021年分)(厚生労働省)をもとに作成

直近10年間の食中毒事件数は毎年概ね1,000件前後を推移しています。

全国のどこかで毎日約3件の食中毒が発生しているとなると、まだまだ食中毒は減っていないと感じるかもしれません。

また、グラフ上では患者数は年々減少しているように見えますが油断は禁物です。

事件数も同様ですが、特に2020年、2021年は新型コロナウイルスの流行に伴う感染拡大防止のために飲食店等が営業自粛や時短営業を行った上での値であり、注意が必要です。

次に2021年の食中毒事件の原因は以下のようになります。(一部数値を省略)

食中毒事件数
食中毒患者数
「令和3年(2021年)食中毒発生状況」(厚生労働省)をもとに作成

事件数を見ると、食中毒の原因はアニサキス等の寄生虫カンピロバクターウエルシュ菌等の細菌、ウイルスと続いています。

患者数で見ると、1事件当たりの患者数が多くなりやすい細菌ウイルスと続いて、寄生虫でした。

原因施設別に食中毒の発生状況を見ると以下のようになります。(一部数値を省略)

原因施設別の食中毒事件数
原因施設別の食中毒患者数
「令和3年(2021年)食中毒発生状況」(厚生労働省)をもとに作成

原因施設別の食中毒事件数では、飲食店が283件(全体の約4割)と、例年よりも割合が低い結果でした。

また、原因施設別の食中毒患者数では、1事件で特に多くの患者数を出した施設を含む仕出し屋製造所が上位に入りました。

食中毒予防の3原則を守ることが衛生管理のはじまり

食中毒を引きこさないためには衛生管理の基本である食中毒予防の3原則つけない(洗浄、清潔)ふやさない(低温保存)やっつける(加熱、殺菌)」を守りましょう。

また、ウイルスは食品中では増えませんが、その代わりに「もちこまない(健康管理など)」ということも重要です。

これから夏場に近づき調理施設内の室温が上昇しやすくなります。

細菌が増えやすい環境となり食中毒も発生しやすくなるため、上記の3原則を守るとともに5S(整理、整頓、清掃、清潔、習慣(しつけ))にも取り組みつつ、そのほかの様々な衛生管理事項に努めることが大切です。

衛生管理について、私たちにご相談ください

食中毒の予防には日ごろの衛生管理の取り組みとあわせて調理施設の衛生管理状態がどうか客観的な評価を行うことも重要です。

  • 自社で衛生点検を実施しているもののなかなか細部までチェックできていない。
  • どういった視点でチェックをしたらよいかわからない。
    (どういった視点でチェック項目を設定したらよいかわからない。)

などがございましたら、弊社まで気軽にご相談ください。